東京とんかつ会議 第193回 表参道tonkatsu.jp旅するとんかつ「上ロースかつ定食{サドルバック)3490円
【肉3衣3油3キャベツ3ソース3ご飯3味噌汁2お新香3特記特になし合計23点】各項目3点満点特記1点 満点25点
豚への愛に満ち満ちた、新しいとんかつ屋である。まず驚かされるのは、扱っている銘柄の多さであろう。東京Xや岩中豚、どろ豚といった今まで訪れたとんかつ屋で使われているおなじみの銘柄に加え、オリーブ豚、サドルバック、天城黒豚、シュベービッシュハル、那須つつじポーク、あわ雪ポーク、安曇野元気豚、伊豆の太湖豚、鈴木農園の豚、きなこ豚、幸福豚など、全国の豚が並んでいる。
西麻布の「豚組」が、今までで紹介した中では多く扱っていた店だが、はるかに凌駕している。ただ多いというだけではない。メニューを開けば、柔らかさと味わいの濃さで豚肉を分布させたマッピングがあり、それぞれの牧場と豚肉について、オーナー自らの文書と写真で熱く語られているのである。
そこには、とんかつという料理を通じて、豚肉の味わいの違いを楽しんで欲しい。そんな思いが溢れている。
その熱いオーナー眞杉さんは、我々とんかつ会議のメンバーより食べ歩いている方である。メニューに書かれた豚を見ているうちに、どうしても鹿児島ふくどめ牧場のサドルバックが食べたくなった。日本では希少な品種である。
現れたとんかつが美しい。肉汁をうっすらと滲ませながら輝いている。たべれば細やかな衣はカリリと軽やかな音を立て、歯は肉に食い込んでいく。味が濃い。
肉の味が濃い。
甘い香りが口の中に広がり、きめ細やかな肉を噛み締め、喉に落ちんとする時、喉がぐっとなるほど肉の味が濃い。数々のとんかつを食べたが、これだけ存在感のある豚肉は初めてである。とんかつ好きなら是非試してほしい。
揚げ上がりも油切れよく、かすかに甘い香りが漂う油もいい。聞けば、白絞油65%ラード35%でその日によって配合を変えるという。
キャベツも細く空気を含んでふわりと盛られ、べったら赤カブなどのお新香類も充実し、ソースはくどすぎることなく香りに富んで、ご飯も味噌汁も美味しい。
味噌汁は香り高く余計な具が入ってない点が良いが、やや煮詰まっていたので今回は2とした。
またヒレかつも上出来だが、まだ改良の余地があると思い、今回は突起には加えなかった。
素晴らしいとんかつ屋である。また新しい豚肉に出会うために出かけよう
山本氏
ロースかつ定食1890円~(平日ランチサービス定食1690円)
【肉3油3衣3キャベツ3ソース3ご飯3味噌汁3お新香2特記なし合計23点】
河田氏
どろぶた上ロースかつ定食(3490円)
【肉3衣3油3キャベツ3ソース3御飯3お新香2味噌汁2特記 なし 計22点】