虎の門「きよし」は、キングサーモンをおろし、塩をして3日ほど寝かせた塩鮭を焼く。
常連なら「今日は”つの字”ね」。
「あいよ」てなもんだ。
”つの字”と呼ばれ、愛される塩鮭は、塩が馴染んだ身に脂がのって、もうどうにもご飯が止まらない。
先代は、刺身や他の焼き魚もやっていたが、近隣のサラリーマンに手早く食べてもらおうと、塩鮭と焼きたらこ定食という、骨のないおかずにしたという。
その伝を守って今は二代目で40年。
マニラで人質となった三井物産の若王子さんも、解放されて、日本に帰ってきて、真っ先に訪れたのがここだったという。
ご飯もおいしく、つい二膳食べてしまう。
これこそが東京の誇り、日本の誇り。
2013閉店