最強のメンチは、以前書いた「わくい亭」のそれで揺るぎない。ただここにその座を揺るがさんと企む輩がいる。
神戸在住。新地と銀座に店を持つミヤン氏である。

以前出していた仔羊のメンチに続いて、今冬登場したのが、鴨のメンチ。見よこの威風堂々たる体躯を。辺りを睥睨する風格を。姿だけで歓声が上がり、喉がごくりと鳴るじゃありませんか。

肉料理というものは、こういう、登場感が大事なのである。

そして食べればどうだ。肉汁は口の中で暴れまわり、香りはほとばしり、一同無心で一口目を食べて顔を上げ、目が合った瞬間に、「うまいっ」。

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