大変危険なものを入手した。
「割烹 智映」特製の蟹の内子漬けである。
真っ赤なそいつを、箸先ですくいとり、一舐めして笑った。
なんともエロい。超高価な塩雲丹よりエロい。
命の神秘を凝縮させている味わいがあって、舐める度に胸の鼓動が高まっていく。
そしてとてもエッチなのだが、すましたような品がある。
息をのむような美人で品があるのだが、色気で誘ってくる人である。
男は前のめりになるが、あともう少しというところで、するりと逃げちゃう。
だからこれは、独酌で食べたい。
愛人と二人きりで食べたい。
酒がぐいぐい飲めるというより、時間を緩めてくれるから。
しかし食べたのが朝だったので、白い御飯に乗せてみた。
ああ、智映ちゃん。朝から僕を、こんなにさせてどうしてくれるんだ。