お母さんの食堂で揚げ豆腐を食べた時、あれ? どこかで食べた味だぞ。と思った。
そうか。バネッレである。
聞けば、この豆腐はひよこ豆で作っているという。
イタリアとフランスには、ニースのパニスやリグーリアのパニッサ、パレルモのパネッレとひよこ豆粉生地を揚げた料理や、リグーリアのファリナータやトスカーナのチェチーナのように、焼いた料理もある。
どちらも小麦粉とは違う、ふっくらとした甘みがあって、温かい気持ちを運んでくる。
この揚げ豆腐もそうだった。
カリリと衣を突き破れば、ホワッとした生地に歯が包まれて、穏やかな甘みが滲み出てくる。
ひよこ豆で作った豆腐を固めてから揚げたもので、トーフジョーという。
豆腐と粉の違いはあるものの、ひよこ豆特有の温かい甘みは変わらない。
イタリアのパレルモとミャンマーのタウンジー、7,000キロ離れていても、マンマが作る料理の太さは変わらない。