生地に根性がある。

食べ歩き ,

春のブリアンツァは、二種類のパンから始まった。
低糖質パンがさらに進化している。
ビールの絞りかすを粉にしたという繊維45パーセントの日本初の粉をつかい、パンを焼く
甘い香りが漂うが、その香りは腑抜けではない。
アリスタを添えたこげ茶のパンは、甘みが野生的で、噛めと叫ぶ。
噛めば噛むほど、複雑な奥味がにじみ出る、。
たくまい甘みや微かな酸味や苦味が揺れている。
それは、ドイツパンのようでいながら、もっちりと、しっとりと歯を抱きしめる。
そして余韻に、一面の小麦畑の香りを残すのだった。
一方、配合を変えて10%にし、国産とイタリアの小麦粉を加えた生地には、トマトソースと乳糖抜いたアジアーゴをかける。
パンは、前者に比べて優しい味だが、生地に根性がある。
噛む喜びがあって、心をとりこにする。