「浜作」の丼は爽やかである。
ご飯をおおいに掻き込ませる力がありながら、後を引きずる重さがない。
口に入れた瞬間に「ああ、うまいっ」となるのだが、食べ進んでいくと、第二や第三の発見があって、飽くことがない。
後味のキレがいいので、箸の止めようがない。
食べ終わった時には充足感に満たされるが、二、三日たつと思い出す。
そして唾液が口の中に溢れ出す。
「残心丼」と呼びたい、困った丼である。
上から順に、
玉ねぎと椎茸の塩梅がいい、「豚生姜焼き丼」。
一番出汁に、ケチャップとソースを入れて作った餡をかけた、「カツ丼」。
まぐろを大ぶりに切って、噛む回数を増やし、本来のマグロのうまさを際立たせた、つくね芋との「山かけづけ丼」。
理を計れる料理人が作ると、丼料理でもかくも違うことを思い知らされた。