吉野屋牛丼復活によって、牛丼界は再び群雄割拠の戦国時代と相成った。ただし、休戦時代の料理多角化展開によって、消費者の選択基準が変わり、以前より牛丼の役割は軽くなってきているといえよう。だが変わらず主力商品であることは事実であり(今回の調査でも牛丼比率は圧倒的であります)、ゆっくりと住み分けが始まっている中で各店の考えが、肉に味に出てきていると考えられる。今回はその辺りを意識して比較してみました。
三位 松屋
「空腹児童確保的濃厚脂系」。
味わい 以前よりあっさり。店舗によってばらつきあるものの三店舗の中では味濃く、塩気強い。
肉 厚め サイズばらばら、脂身多く、脂の残存感あり、
その他 ご飯柔らかめ存在感薄い。玉ねぎ大きく多し。
脂身を好み、塩分とカロリー補給をいつも本能的に求めている人向きか。
二位 すき家
「初動衝撃的誘惑確信犯系」。
味わい 甘め。だがくどくなく九州醤油的甘味。香料強し。
肉 店によって違うこともあるが、厚めだが、その分肉片が小さめで食べやすさを狙う。
脂身半々。
その他 ご飯固め。玉ねぎは小さい。肉片に合わせているのか。
運ばれてきた瞬間強く香り、かつ甘めで、最初の一口のインパクトで掌握しようとしているのではないか。
一位 吉野屋
「中庸的段階浸透麻薬系」。
味わい いい意味で中庸。なにより醤油の香りと味が生きていて、肉に染みているのがい
い。甘みも酒かワインせいか丸い。脂のいやらしさなし。
肉 薄く丼を描きこみやすい。サイズも比較的揃っている。
その他 ご飯固めで存在感あり。玉ねぎ大きく多し。
うまみや強みに走ることなく、いい意味で中庸。飽きが来ない味わい。すなわち次第に虜になる味わい。