東京とんかつ会議84
田園調布「幸楽」黒豚梅ロース200g2500円 ご飯味噌汁お新香500円
【肉3衣3油1キャベツ2ソース3御飯2味噌汁3お新香3特記なし計20点】各項目3点満点特記1点総計25点満点
田園調布の「かつ久」閉店後に居抜きで借りて、浜松の「幸楽」が出店した。他の方が書かれているように、「幸楽」は、全国から客が訪れる人気店である。メニューに記された文によれば、その「幸楽」へ豚肉をおろしている肉屋さんの経営で、職人は、「幸楽」にて修行をつまれた方であるという・
肉がいい。中心をやや淡いピンクに仕上げた肉は、たくましく、水分の少ない肉質でほの甘く、噛む喜びを与えてくれる豚肉である。脂は舌の上でてれんと溶け、脂の中に甘さだけでないコクがある。衣は中粗でサクサクと心地よく砕けていくが、粗さをより細かくした方がこの肉を生かすと思った。脂はラードの甘い香りがあって脂切れもいい。皿に接地した面も蒸れておらず、衣の軽快感が残っている。ただし肉の中の筋に十分火が通っておらず、噛んでいると噛み切れずに口の中から出してしまう結果となる。そこを改善すれば、より素晴らしいとんかつになると願うゆえ、あえて厳しい点にした。
キャベツが切り方が粗衣がみずみずしく、ご飯も上等、なめこと豆腐の味噌汁は香り高く、塩梅もいい。お新香は大根と人参、きゅうりのぬか漬け、白菜の浅漬け。ソースは甘すぎず、ほどがいい。
脇役陣もよいだけに、揚げをもう一工夫してもらえば、東京を代表するとんかつ屋になろう。