久しぶりで、新「華都飯店」。
変わらず淡味で、味に余計な欲がなく、誠実。
昨夜は春餅をいただいた。
作りたての大餅は、昨今の片栗粉入や、冷凍物と違って噛みしめるほどに甘みが出る。
中に春雨やもやし、揚げた極細切じゃがいも、豚ニラ炒め、玉子炒め、牛肉甘味噌炒めなどを包んで食べる。
この料理は「寒」ゆえ、〆に「温」の鶏粥。
粥の、お米の香りをなくさぬよう、鶏の出汁を泡めにとって、長時間炊いてある。
米は花が開き、とろりと甘く、鶏の優しい滋味と一緒になって舌の上に広がっていく。
なんという慈愛に満ちた味だろう。
生姜や鳥の細切りも、微かにアクセントを利かせるよう、細心の注意が払われている。
その心遣い。調和の黄金比率が胸を打つ。
食べていくうちに、心も体も弛緩し、活力を湧かせながら癒されていく。
鶏と米のポタージュである。
久しぶりで、新「華都飯店
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