ある夜、肉好きおじさんたちが集まりましたとさ。
40代後半から50代半ばまでのおじさんたち、6人が集ったのは、「またぎ」という店でした。
ご主人は、
「去年よぉ、月の輪撃ちにいった時によ。仲間が二人やられちまってよ。今年は絶対かたきぃ討ってやる」。
などと、話される、本物のまたぎでございます。
以前葉山で店を営んでられた時の話は、このブログでもお知らせいたしましたが、西麻布に店を出して、早2年も経つのでございます。
「牧元さんよお。今日のシシはいいよぉ」。と、うれしそうに話される親父さんの目が輝いています。
さておじさんたちは、持ち込みのワインで乾杯し、まずはキジから焼き始めました。
次に、鹿と熊です。
熊の匂いにのたうち、赤ワインが進みます。
そこへ
「めったに出さないんだけどよぉ、猪の煮込み食うかい」と聞かれ
もちろんいただきました。
こいつは日本酒で、あっという間に空でございます。
おやじたちは、二人が社長で、他も地位が高い方たちでございますが、
獣肉に血がたぎり、酒をぽんぽんと空にし、
大声ではしゃぎ、中にはこんな方も出現しました。
脂が、すうっと甘く溶ける、見事な猪肉を楽しみ、
最後は猪鍋をいただきました。
会の当初は
「なぜおやじばかりで飲まなきゃいけないんだ。女性はいないのか」と、口々にわめいていたおじさんたちも、いまは
「やはり、猪、鹿、熊に女性はいらない」と言い出す人まで現れました。
酔っているのでしょう。
彼がしらふのときには、断じて出ない発言です。
鍋も食べ終わり、すいとんを競うように食べ、
終始冗談と下らぬ話で盛り上がった会も、そろそろ11時。
お開きのようでございます。
またぎ
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