すでに5回目となる

食べ歩き ,

すでに5回目となる「もうフランスでもめったに食べられない古典料理を楽しむ会」@青山「レ・クリスタリーヌ」が行われた。
今回の乾杯はシャンパンではなく、水である。
19世紀のフランスでは、意外にも健康のことが気遣われ、最初に口にするものは暖かいスープでなければならない、と考えられていたという。
鶏のフォンと人参、玉ねぎによる、優しい「人参のポタージュとサグ」を飲めば、喉が開き、胃袋が温められ、食欲がゆっくり目覚めていく。」
ちなみにサグとは、当時の言葉でタピオカを指す。
そして次は、ドンペリニョンとノルマンディのリキュール、ベネディクティン・ドムのカクテルである。
修道院にちなんだ酒、いや「ドン」繋がり? いや田中シェフによれば、シャンパンの祖であるドン・ピエール・ペリニヨンは、ベネディクティン・ドムを作っていた可能性もあるということから合わせたそうな。
古いシャンパンと若々しいシャンパンが合わさったような、不思議な味わいである。
続いてルイ15世からの再現である「刻んだ雉のポーランド風」で、アッシェした雉の上にはゆで卵の微塵が載っている。
上に卵を乗せる料理方法を、当時はポーランド風と呼んでいたそうである。 品
1750年代ルイ15世晩餐会の再現でアントナン・カレームのレシピで、「ズワイ蟹のベネティア風」が運ばれた。
カニの上には、レモンジュースとオリーブオイルがかけられ、当時はこれをベネティア風と呼んでいたというが、このレシピこそヴィネグレットソースの始まりだという(当時は混ぜてなかったのね)
続いてもアントナン・カレームのレシピから、「ノルマンディー風ドーバーソールのクリーム煮イズニーのバターソース 」
なんとクリームの中で加熱したドーバーソールである。
そのクリームは捨て、ソースは別に仕立ててある。クリームもバターもふんだんに取れていたフランスなrではの発想であろう。
肉料理は、「牛肉オスマゾーム」。謎のオスマゾームとは、旨味のことを指す。
肉の中にあるオスマゾームをいかに抽出するか、どういうオスマゾームがあるのかということに、当時の料理人は研究した。
水に溶けゆくオスマゾームと肉の中に残るオスマゾームで構成された一皿は、そのコンソメが、滋味深い。
そしてデザートはフランボワーズのゼリーとアーモンドクリームのダリオール。