ホワイトアスパラガスを前にして、どちらから食べようかなあと、いつも迷う。
ロワールから届いたアスパラは、太く、凛々しく、シブレット入りバターソースと生ハムをまとって、色っぽい。
そうだ、今日は根元からいってみよう。
太い繊維を、そおっと噛みしだくと、春のエキスが流れ出る。
あまくほろ苦いエキスが、バターのコクと溶け合いながら舌に流れ込む。
この長いアスパラは 5切れに切るのが上品だけど、えい4切れでいってみよう。
次第に先端へ移るほど、繊維は細く、味もか細く、繊細になってくる。
そして先端は、歯の間でくにゃりとつぶれ、ムースのように広がって、切ない春の香りを漂わせる。
広尾「アラジン」の旬。
広尾「アラジン」
ホワイトアスパラガスを前にして
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