アカハタを水に入れ、アラをたたきながら沸騰させていく。
そうして、白濁したスープを作るのだという。
これをオコゲと合わせ、中に刺身を二枚入れた。
飲めば、ああ。蒸したハタの身を食べた時に感じる味覚が凝縮している。
身から滲み出る上品な甘み、上質なアミノ酸を感じるミネラル、にゅるっと唇と舌にしなだれる、コラーゲンのうまみ。
それらが濃密になって、液体として舌を過ぎ、喉に落ちていく。
白い滋味に、オコゲの茶色い香りがアクセントして、食欲を刺激する。
はぁ～。充足のため息一つ、思わず漏れた。
溜池山王「聘珍樓」の特別薬膳料理、「魚湯脆香米」