「うちは一番高いものが、一番得だよ。高い魚だからって高い値段付けるわけにいかないからね」。という親父のl言葉に従って「本アラの煮つけ」。
もう、身が爆ぜて、ぷりっぷりや。
「キンメの煮つけ」と頼んだのが聞こえていて、向こうを向いたままポツリと「さわら」と呟くので、あわててキンメをやめてサワラの塩焼きに。後は平鰺の塩焼きと玉子焼きになす味噌炒め、アラ汁にあおさ汁、貝汁にきんぴらごぼうに胡麻鯖単品。
どや、注文がぴしゃーっと決まったけんね。
アラも胡麻鯖も鰺も食べ終えてもさわらが来ん。
忘れてしもたかなと、聞いてみよかと話していたら、「さわらもうすぐ出来るよ」。地獄耳とはこの親父のことや。
そのさわらは。もう空気を含んでいるかのようにフワフワと舌の上を舞って、ほの甘い。
塩気がほどよく、御飯をかき込ませる塩梅を、よう知っとる。
すべての料理は、注文聞いてから焼き、煮るアラミニット。
魚の質が驚くほど高い。
最後は煮汁を御飯にかけて、チキチキ御飯。
「味の正福」は、日本一の定食屋屋。正福行って、これ至福。
ここには由緒正しき幸福が満ちております。