新橋に大好きな居酒屋「身知らず」がある。
僕と同い年のご主人が一人で切り盛りする、福島料理の居酒屋だ。
昨晩行って品書きを見上げたら、但し書きがぶら下がっている。
「お一人でもお気軽にどうぞ。ただし本気で自慢したり、謙遜したり、お世辞を言ったり、貶したりしない。つまらないプライドで自分を守らない。そうすれば常連です」というようなことが書かれている。
「あれ? これ前からあったかなあ」というと、「前からありましたよ」と親父。
「俺も気づかなかった。その下んとこの、初しぼり入荷ってとこしかよんでなかった。ははは。」とは,隣のカウンターに座っている親父。
大会社の役員だと思われる、上品な60過ぎの二人連れ常連の一人は、
「ありゃ俺はだめだ。つまらないプライドで自分を守ってばっかりだからなあ。ガハハハ」と笑った。
だからこの店が好きなのだ。
6人掛けカウンター。4人席が二つ。
小さな店は、常に満席。気持ちのいい親父だけが集まり、愉快な酒を飲んでいく。
新橋に大好きな居酒屋
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