東京とんかつ会議14
神田須田町「やまいち」の特ロースカツ定食2000円
<肉2、衣2、油2、キャベツ3、ソース3、御飯2、新香3、味噌汁2、特記;海老しんじょ揚げ 計20点>
「勝漫」出身の職人が営む人気店。昼時は列をなし、特ロースカツ定食は、1230過ぎにはなくなることもあるほどだ。
なにより、清潔で整頓が行き届いた店内が心地良い。良心的な飲食店とはこうあるべきという、真っ当がある。調味料は、塩、練り辛子、七味、柚子胡椒、ドレッシング、おろし醤油、とんかつソース、ウースターソース、醤油と豊富で、またお好きにどうぞと、ラッキョウと小梅を入れた、容器が置かれている。
中心までしっかり火を入れた豚肉の質はよく、脂のキレも香りもいい。だが高温のせいなのか、やや肉の味が抜けてしまっていたのがもったいない。中粗の衣はサクサクと香ばしく、とんかつを食べる楽しみに溢れているが、衣が一部剥がれてしまっている点と、中央に比べ、端っこ部分の衣の厚さが多く、肉とのバランスがあまり良くなかった点が気にかかった。
甘辛いとんかつソースは、香りよく、肉を生かしご飯を呼ぶ。また脂部分には、ウースーターがよく合う。キャベツはみずみずしく、大根とにんじんの糠づけ、白菜と胡瓜、柴漬けという布陣の新香もいい。
とんかつ以外で特筆すべきは、「海老のしんじょ揚げ」。凝縮した海老の甘みと香りが口いっぱいに広がり、笑顔呼ぶ揚げものだ。また「かつ丼」もお奨めである。