駅弁勝負 「東華軒」の「シュウマイ弁当 980円」の巻
死角だった。
鯵の押し鮨で有名な「東華軒」に、シュウマイ弁当があったとは。
では比較してみよう
1.焼売。崎陽軒が5個に対して、なんと7個。他のおかずは少なく、あえて焼売単体で勝負しようという姿勢がいい。
2.焼売。崎陽軒より若干大きい。帆立はおそらく入っていないだろう。豚肉含有量が多く、そのため微かに匂う。ホタテの力だろうか、崎陽軒のそれの方が、ご飯換気力が高い。
3.おかず。同じものは、筍煮と昆布の佃煮。玉子焼きに梅干し。筍煮は、数えられるほどと少なく、味も淡いため、句読点にはならず。
卵焼きは、崎陽軒より玉子の風味がしておいしい。
4.おかず。鳥の唐揚げや蒲鉾、マグロの照り焼きはがない代わりに、鳥の甘辛そぼろ煮グリンピース。これは写真のように、ご飯にかけて食べると、鳥弁のようになっていい。
5.あんずがない。ゆえに杏をいつ食べるか問題が、発生しない。
6.ご飯。よし。ただし崎陽軒のようなもっちり感なく、やや水分が抜け気味。焼売一個に俵ご飯一個という基本法則だと、一俵余る。これを鳥のそぼろ煮でいくという仕組みである。
7.付属品。箸は、崎陽軒同様短い。ミニウェットティッシュがついてない。故に辛子を絞った指先を拭くために、困る。
8.価格。崎陽軒860円に対し980円。焼売量のせいだろう。
「部長!当社も、駅弁キングのシウマイ弁当に習って焼売弁当を売り出しましょう」。
「そうだな。でもはずかしくないか」?
「同じ神奈川県の弁当屋ということで、許されるんじゃないすか?」
「うむ。よくわからん論理だが、なんとなくそんな気もする」。
「それではさっそく試作に入ります」。
「あちらとの優位点を作る必要があるぞ」。
「焼売を多くします!」
「おお、一個ふやすか」。
「いや、どーんと二個増やします」
「いいねえ。シウマイ弁当を買って、さらにポケットシウマイを買っていた自分を正当化できる」。
「よくわからない論理ですが、そんなに、他社の売上貢献をしてたんすか」。
「うむ、それで他のおかずは?」
「筍煮は、真似させてもらいます」
「そうだな、恥ずかしいが、あれは外せんもんな」
「鳥の唐揚げの代わりに、甘辛いそぼろ煮いれちやいます」。
「苦肉の策は否めないが、杏はどうする? 意外な人気らしいぞ」。
「そこまで真似すると、さすがに批判されそうなので、入れません。これで問題解決しむす」。
「ん? なんの問題だ?」
「シウマイ弁当愛好者の間で交わされている、「杏をいつ食べるか問題」です」。
「そうかそうか。あれは問題だ。俺は途中で食べて、食べたことを忘れるようにしてた」。
「部長は上級者ですね。値段はどうします?」
「なにせ焼売が二個も多いんだ。敵より百円高くして、強気の勝負をかけろ」。
「はいわかりました」。
今朝小田急ロマンスカーホームの売店に、二十代の若者が2人が立った。
「シュウマイ弁当をください」。
「これは崎陽軒ではなくて東華軒のですが、いいですか?」
「うーん。なら、しらす弁当にします」。
二番手の道は、険しい。
ご飯 2おかず 2価格1箸1 特記なし 郷土色か個性点ノスタルジーなし。総計6点>
ご飯(国産米使用)、シュウマイ、鶏そぼろ(鶏肉、砂糖、グリーンピース、
筍煮、佃煮(きくらげ、昆布、醤油、その他)、大根つぼ漬、小梅漬、ごま