薄いロースカ

食べ歩き ,

薄いロースカ

ツを揚げ、鉄板で玉葱薄切り炒めてカツをのせ、
デミグラスとタルタルをかけ葱をこんもり盛って、出す。
それが何故「大正カツ」なのか?
名古屋の大須にあって、なぜ「キッチントーキョー」なのか?
二つの“なぜ”が、鉄板の上でじーじーと音を立て、湯気を上げている。
デミグラスとタルタルなんて、味がコテコテじゃないか
そこになぜ葱が?という疑問もあるが、お客はそんな事を誰も考えずに、猛然と食っている。
甘辛いソースに甘酸っぱいタルタル、そして葱に衣。ん?
そう。ソースにマヨネーズに天かすに葱と考えりゃ簡単さ。
これはカツの変成ではなく、お好み焼きの変成なのである。
だからご飯も欲しくはなるが、ご飯がなくとも成り立つカツなのである。
うむ。これで1300円は高い気もするが、
珍しさの味わい考えれば、充分かもしれぬ。
今はないが、チキンライスにベシャメルのせて焼いたドリアのような
「東京ライス」というのが、かつてはあったらしい。
つまり、まだ洋食がハレの日の御馳走だった時代、これでもかと味を重ねたのが名物になったというワケなのだろうか。
食べ終えて、店の方に謎の正体を聞いてみようかと思ったが、やめた。
謎は謎で残していた方が、おいしいもんね。

大須は、大正元年に万松寺が所有地の一部を開放し、商店街が形成されて栄えた・

その由来か・ただし創業は創業昭和35年らしいが。