角館「じん市」 芍薬という奇跡。 2015.06.18 食べ歩き , ポエム , タコ , 割烹 , 秋田 Tweet 水タコを、なんとか柔らかく食べてもらえないか。 角館「じん市」の高橋氏は、切り方を試行錯誤してたどりつき、奥さんが「芍薬造り」と名付けた。 昆布出汁で湯通しし、昆布出汁とポン酢をあわせて、少しだけかける。 食べた瞬間、鳥肌が立った。 柔らかさの中に命のつたなさがあって、無常を感じさせる。 ああ。 こんな優美な水タコには出会ったことがない。 はかなく美しい、タコの命の花である。 その花は、懐石料理の心得の一つ、「思いやり」が咲かせた、奇跡である。