京都でハシゴ酒  <京都の平生>32

食べ歩き ,

昨夜は、「ますだ」から「赤垣屋」「うえと」とハシゴ。
「ますだ」の、包丁技がいい。
おからは、青菜、人参などがそれぞれの必然で極微塵、茎若布も、細く細く切られている。またきんぴらは、ごまだけで甘さ控えて少し辛く、これまたごぼうが細く、無骨さがない。
茄子の干しエビ煮は、ヘタまで柔らかく、エビの旨みが、ひっそりと生きている。
ナマコ酢の物は、大根おろし、一味、柚子。
小芋炊き合わせ。小芋、かぼちゃ、花菜、金時人参、レンコン揚げ浸し。振りゆずと木の芽。
この両者は成り立つのか?
あん肝煮は、ほかにはない焦げ茶色の仕上がり。山椒の実と炊いてあるのだが。これがいい。
甘く、こっくりとした味に、煮含められているのだが、濃い味わいの中であん肝の持ち味がいきて、かつ山椒が引き締めている。砂糖の甘さではなく、メープル的なコクがある。
もろこ南蛮漬け 焼いてから漬けている点がいい。
いい店である。
おかみさんのサービスも素敵。難点は値段の高さかと言っては、野暮なのかなあ。
続いて「赤垣屋」に歩いて向かう。
久々である。
親父さんも女将さんもいず、息子が仕切っている。
働く人達も30代で、こういう人たちがキビキビと働く老舗居酒屋というのもまたいい。
大根とこんにゃくのおでん。
昼のこと思い出して、「揚げ出し豆腐」。そして「納豆」。
ここまで炭水化物を我慢したので、「うえと」に行って「ホットドック」。
ジョニーウォーカーグリーンラベルのハイボールを飲みながら、ソーセージが正しいホットドックをいただく。
たまらない。
嬉しくなって、珍しいモルトを次々といただく。
オーシャンズ ヤングラガブーリンは、変に気取っていない親しみやすい甘みとか香りがあり、その素直な暴れっぷりがいい。
スキャパ 2001 は、磯の風味が、旨みに乗って静々と押し寄せる。
2002グレンリヴェット、昔のリヴェットらしいイソジン香が来る。

しかしそれがいやらしくなく、モルトを飲んでるゾォという感がある。
ゴードンアンドマクファイルのカリラ。

これがカリラですか、とおもうほどに、実にエレガントなのである。
最後は、イタリアサマリー社のブレンデット。
これまた、滑らかな味わいの中に、ブレンド職人の矜持が輝いている。
時が緩み、空間が柔らかくなった。
そろそろ寝ようか