〜復元力のある焼きそば〜
「このあじたか風焼きそばとは、どんな焼きそばですか」。
「柔らかい焼きそばです」。話が噛み合わない
「あんかけですか？」
「いや違います」。
「じゃあ炒め合わせた焼きそばですか？」
「いや違います」。話が噛み合わない。
「ではどんな風ですか？」
「あんかけじゃないんですが、ソースが多いです。うちでは焼きそばといえばこれを作ります」。
「それではそれをお願いします」

１、 あんかけのようだったが、あんかけにしてはソースの粘度が緩い。
２、 なぜか卵の白身だけが閉じられている。
３、 塩味のソースだが、上に紅ショウガ。
４、 「途中でソースをかけても美味しいです」と言って、定員が去る。
５、 おそらく具材を炒めてからソースを入れ、麺をからめてから、とろみを少しだけつけている。
６、 言われるままに、途中でソースをかけてみた。塩味を汚していいのかと思ったが、一部にかけてみた。途端に下品に変化する。しかし。
７、 ソースの量が多いので、ソースをかけた部分はソース焼きそばの味がするものの、食べ進むうちに塩味焼きそばに戻る。
８、 この復元力は極めて高く、ソース焼きそば→塩焼きそば→ソース焼きそば→塩焼きそば→ソース焼きそば→塩焼きそばと、永遠に続く。
函館「あじたか」にて