噛んだ瞬間

食べ歩き ,

噛んだ瞬間、粉の甘い香りがたって、モチッと弾みながら軽やかに消えていく。
武蔵小山「トリプレッタ」のナポリピッツァである。
裏面もきれいで、焦げた香りが邪魔することなく、粉の香りを引き立てる。
この軽やかさと香ばしさは、危険である。
一枚200gというが、次々と手が伸びてしまう。
頭の中の誰かが、「もっと食べられるよ。もう一枚頼もうよ」と、囁きかける。
「ロザータ」は、モッツアレラの甘みとゴルゴンゾーラの塩気が絡み合い、そこにトレビスのほろ苦みとサラミやベーコンの食感が混ざり合う。
「ポパイ」は、ほうれん草の甘みに、カリッと脂が香ばしく甘い「チコリ(豚バラのコンフィ)」が絡んで、顔が崩れる。
ああダメだ。もう一枚頼もう。