冷麦900円。
この値段の多くが、冷麦ではなく、果物が締めているのは分かる。
同じ清涼感のあるスイカは許しちゃうが、メロンとオレンジはいらん。
キュウリの切り方がかなり乱雑なのは、アルバイトがやったのだろう。
でも僕は冷麦が食べたい。
家で食べれば、100円ほどの原価で食べられることも知っている。
でも僕は冷麦が食べたい。
石臼挽き手打ちそばの看板に惹かれて入ったが、僕は冷麦が食べたい。
運ばれし冷麦は、堂々たる量である。
薬味皿に生姜とワサビがあるのを見て、ちょこをもう一つお願いした。
一つはわさびを溶き、一つはおろし生姜を落とす。
まずオレンジとメロンを先に食べ、無かったことにした。
つゆを一口飲みリセットする。
生姜つゆて、ずるるっ。わさびつゆでずるるっ。
わさびあいません。
チューブワサビの中にあるえぐみが、冷麦の純心の邪魔をする。
ネギもあいません。
水にさらしてないせいか、苦味と刺激があって、これが冷麦の淡い甘味を味わおうとすることを邪魔をする。
やはり生姜つゆが一番だな。
合間合間で、スイカをかじるのもアリだよ。