ホットチョコレートは、カップを両手でもって飲みたい。
ゆっくりと飲めば、甘い香りに包まれて、熱々のショコラが流れ込む。
都会の速度としがらみの垢にまみれて、心が疲弊したときに、飲みたい。
厳しい外気に肌を刺され、活力が凍りそうになった時も、飲みたい。
熱く甘く、濃密な液体が、舌を緩やかに流れ包み込む。
その瞬間に心が座り、体の奥底に火が灯る。
時間の流れが遅くなり、幸せが満ちていく。
ホットチョコレートを口に含みながら、ピエールマルコリーニの生チョコを齧り、マリアージュしてみた。
笑いが止まらない。崩れた顔が元に戻せない。
幸せのメーターが振り切ったまま戻らない。