コンソメスープにはアモンティリヤードである。
アモンティリヤードを飲む。
すると喉が乾いて来るので、すかさずスープで潤す。
あるいは逆でもいい。
コンソメを飲む。
すかさずアモンティリヤードを少し飲む。
コンソメの琥珀色とアモンティリヤードの琥珀色が溶け合いながら、アモンティリヤードのヘーゼルナッツ香が、コンソメに色気を灯す。
カレーにはオロロソである。
子羊のカレーを食べて、オロロソを飲む。
するとカレーのまろやかなうまみや、刺激的な香りがくるみの香りと抱き合い、深みを増す。
あるいは、オロロソを飲んですぐさまカレーを食べるのも良い。
口の中のオロロソに溶け込んでいくかのようにカレーが流れていく。
子羊の香りがほんのりと漂う。
その瞬間、子羊は酔い、滋味を官能的に曲げて、舌をとらえるのである。
駒込「ルルュタン磯谷」にて