一人は、食材にパッションを探し、その中に潜むエネルギーを爆発させようと、動的な部分を求めようとする。
一人は、食材を脱がしに脱がし、芯にあるピュアな部分を見つけ出し、そのフィネスを表そうとする。
どちらも、食材を愛し、敬意を表し、おいしさを追求するが、表現が違う。
「芸術、色彩、形状」「遺産、工芸、伝統」「人類、出会いと繋がり」「風景、人類、要素」「美と儚さ」「希望と懸念」。
こうして二人が決めた7つのテーマに沿って、一皿ずつ14皿が出された。
台湾「RAW」のアンドレ・チャン氏と、「ESqUISSE」のリオネル・ベカ氏によるコラボレーションである。
17年前の修行時代に出会った友人同士は、その後別の道を歩んで、初めてのコラボを台湾で行う。
そのチャプター1は、彼らが辿ってきた旅がテーマで、料理に経度と緯度が示された、彼らの「過去」をテーマにした料理だったが、今回は「現在」をテーマにしたという。
数々のコラボレーションを体験したが、これほどまでに二人が創造者としての喜びを爆発させながら、子供のような無邪気な笑いを伴って、楽しくてたまらなかったという表情で話す機会はなかった。
痺れ唸った7つの表現は、明確に二人の哲学が映し出されている。
凛々しさやパッションの中に秘めた、繊細さやエレガンスを感じるアンドレの料理。
繊細さやエレガンスの中に秘めた、凛々しさやパッションを感じる
リオネルの料理。
二人は、おそらくこの対極の美を表現することが、愉快でたまらなかったのに違いない。
そしてそれは、我々も人間の可能性を信じる喜びを伴って、このうえなき幸福へと導く時間だった。
二人のコラーボレーション、素晴らしき共演、料理の詳細は別コラムを参照してください