「ちょっと寝てもいいですか」と、二日間完徹夜だった連れが寝てしまった。
すぐ落ちて眠り始めたのだが、お嬢様は「ちょっと」ではなかった。
爆睡。
10分、一人で料理食べ終わる
20分、手持ち無沙汰。しかしトイレに立って、一人で寝る女性を置き去りにするわけにいかない。
やることがないとはいえ、爆睡する女性を前にして、一人読書も失礼である。
25分、隣席の女性が、ちらちら見始めた。数回 。
そこへ 「つまみにどうぞ」と、気配を察したスタッフが、スモークチーズの焼いたのをもってきてくれる。
連れの女性が寝て困っているおじさんでは、相手に失礼である。
なあに、いつものことよと平然とした顔つきで、ゆっくりチーズとワインを楽しむ
35分、トイレ行きたくなるが我慢。
40分、ついにチーズもワインも完了してしまった。
ええい、こうなったら相手のグラスに注いだワインも飲んじゃえ。
そこへスタッフが来た。満席で忙しいのに、話し相手になってくれる。そこで聞いた。
「ここは、一泊いくら」?
「スイマセン今夜は、満室でして」。
50分、隣の客も帰ったので、起こしにかかった。なかなか起きぬが、ようやくお目覚め。
「おはようございます。ご朝食の用意が出来ております」。
と、水を差し出すスタッフ。
さすが「モレスク」。