「感謝のカタチ」vol3番外編
大阪梅田「森清」での,ある夜を思い出したので一つ。
カウンターの客は、僕と常連らしき六十数歳の女性客の二人だった。
その時女性客が、ビールの入ったグラスをこぼして、カウンターの中にいた女将にかかった。
とっさにおかん
「いややわぁ、水も滴るええ女になってしもたわ」。
「あっ、水も滴るは男やったか。ハッハハー」と、すかさず自分に突っこむ。
続いて
「ビールに惚れられてしもたわ」の発言に笑っていると
「かなわんわなあ。もうビールにしか惚れられんで」と再び自分で突っみ。
しきりに恐縮する客に
「気にせんといて。ええ香水つけてくれたわ。変な虫がつかんようにな。アッハッハー」と、大爆笑。 そして
「うちは、虫つきすぎやからな」と、妙なフォロー。
客が、濡れたお母さんの服を拭こうとすると
「胸触らんといて。私の一番ええとこやさかい。ハハハッー」。
このお母さんがいるから会いたくなる。
仕事前やというのに、おかんの陽気につられて、酒二本も飲んでしもた。