すし
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海に下ったヤマメは
食べ歩き海に下ったヤマメは、昆虫食から脱して、イワシの稚魚などを食べはじめた頃だろうか。 出始めのサクラマスは、脂という艶をようやくつけはじめた気配を、舌に漂わす。……
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それはとてつもなくエレガントである。
食べ歩き握りは置かれて、微かに沈むのだが、黒板に映り込んで、宙に浮いていく。 分厚く切られた鯖が、酢飯にふわりとしなだれる。 親指と人差し指でつまみ、すばやく口に運……
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西麻布「すし通」は、独自の道を行く
食べ歩き , 日記「手がキレイですね」というと、ご主人は、 「自家製の化粧水をつけて、外歩くときは手袋をしています。なにしろ顔が悪いんで、手はきれいにしなくてはと思いまして(……
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ヒラメの白い肢体は、
食べ歩きヒラメの白い肢体は、かすかに抵抗しながら悶えると、和やかな甘みを滲ませながら、崩れていった。 そこへ酢飯の丸い香りと穏やかな米の甘みが抱き合い、戯れる。 あ……
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きれいな脂は、切ない。
食べ歩きそれを舌に乗せると、てれんと舌に横たわり同化するように消えていく。 脂が豊かなのにきれいで、醤油のうま味と丸くなじんで、心を濡らす。 鮪カマの脂のヅケである……
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運動会の味だった。
食べ歩き運動会の味だった。 「頑張ったね」。そう言って母が弁当を開けてくれる。微笑む祖母と父がいる。お重にはおにぎりと玉子焼きと、鳥の唐揚げ。 おかずには触れず、真……
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握りに人柄が忍んでいた
食べ歩き , 日記 , やぁ!握りに人柄が忍んでいた。 ゆっくりと握っているように見えるが、素早い。 煮きりやツメを、同じように引いているように見えるが、種によって量を微妙に変えている。……
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君はこんなにも品があったんだね
食べ歩き君は、こんなにも品がある奴だったんだねと石鯛は、微かな青い香りを抜けさせながら、上品な甘みを忍ばせる。 か細き柔らかな香りを漂わすさよりは、たくましい食感から……
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酢飯の酸味が
食べ歩き酢飯の酸味が、カーブを描いて舌の上を流れていく。 そこに年増の艶を漂わすサワラがほぐれ、気品の中にエロスを秘めた白皮ぐじが身をよじる。 肝を抱いたカワハギは……
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「地の魚を握ってくれますか?」
食べ歩き「地の魚を握ってくれますか?」と、小浜「すし良」で頼むと、鯖にツバス、丸アジにノドグロ、レンコダイにアオリイカを握ってくれた。 ほのぼのとした田舎の握りの上で……
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