おいしい日記
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素性のわかる料理
食べ歩き「素性のわかる料理を作ろうと思うんだよね」。 僕がこの世で一番好きな店のご主人は、そう言われた。 もう70を超えられて、いつ店を辞められてもおかしくない。 ……
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「哥利歐」の矜持
食べ歩きこれが格というものなのだろうか。 サーロイン弁当を開け、均一に染まったロゼ色に目を細める。 一枚をそっと口に運ぶ。 歯と歯の間で悶えた肉は、じわりと肉汁を……
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豚一頭のうち串一本分しかない。
食べ歩きてれん。 肉が舌の上で、溶けるように消えていった。 てっぽうである。 鳥茂のテッポウ、豚の直腸である。 普通てっぽうは、くにゅっとした歯ごたえで、崩れて……
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「酒呑みのまよい箸」浅野陽
日記「酒呑みのまよい箸」浅野陽 東京芸術大学教授で名陶芸家であり、稀代の食通であった浅野陽氏の食のエッセイ。 旬の食材を扱うこと味わうこと、作ること。 それぞれの……
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タンドーリチキンの美味しさ
食べ歩き噛めば歯は、優しく肉に抱きすくめられる。 スパイスの香りが鼻に抜けて、鶏の滋味が舌に滴り落ちる。 肉を噛む喜びが、体に精気を巡らせる喜びが、皿から立ち上る。……
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「山利のしらす」をかけてみた。
日記サッポロ一番塩ラーメンに「山利のしらす」をかけてみた。 ただし右後方に写っているように、しらすの味わいの優しさと微かな塩気に敬意を表して、粉末スープを3/1ほ……
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<朝からマズい話でごめんなさいVol10>
食べ歩きああ、なんたることだろう。今までラビオリと信じてきたものは、まったく違うものだった。 ヒューストンからメキシコシティへ、ペルーLATAM航空に乗った時のこ……
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シャコ
食べ歩き通称カツブシと呼ばれる卵をみっちり孕んだ、ほんのり甘辛く漬け混んだ雌のシャコである。 噛めば、旨味だけを凝縮したようなカツブシが固まっておらず、ホクホクとした……
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玉子
食べ歩き玉子に大和芋と海老を入れて、丹念にあたり、一時間かけて焼く。できるようになるまでには1年かかるという。 卵の自然な甘みを、素直に出した味わいが優しい。 中心を……
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穴子
ぽってりと太った穴子が、ふわりと唇に当たると、そのまま噛むでもなく消えていく。 極限まで柔らかく煮た穴子をそっと握る。 空気を含んではらりと散る酢飯と、淡雪の……
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