日記
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鰻の稚魚を
日記鰻の稚魚を見つめる老人にカメラを向けると、彼はこちらを一瞥して、再び稚魚のすがたをみつめるのだった。農業祭にて。 ……
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数百本のウィスキーが、地下で妖しく輝いていた。
日記 , やぁ!数百本のウィスキーが、地下で妖しく輝いていた。 レアール地区の中世の酒蔵を利用した、ウィスキーバーである。 酒蔵ゆえに構造が入り組んでいる。入り口は、バーカ……
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パリで寿司は食べない。
日記パリで寿司は食べない。 パリまで来て寿司なんぞ食えるかい、という気分ではなく、折角パリに来たのだから、出来るだけ多くのフランス料理を食べたいからである。 し……
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少年のような人だった。
日記 , やぁ!少年のような人だった。 少年の好奇心と、純真な目つきで食材と戯れる。 料理人としての挟持やエゴ、食材の化学的理論や常識を飛び越えて、食材と遊び、料理を生み出……
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「はぁ~」
日記「はぁ〜」。スープを一口飲んで、ため息一つ、まろび出た。 澄んでいる。 味わいの深さの中に、丁寧に出汁を取られたことを証明する味の透明さがあって、しみじみと……
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「クラランス」
日記「クラランス」のシェフ クストフ・プレ氏は、人見知りで大人しく、弱気なところがあるという。 お会いさせていただいたが、失礼ながらグランメゾンのシェフとしての威……
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堂々たるグランメゾンである。
日記堂々たるグランメゾンである。 一年かけて改装されたという四階建ての館は、貴族文化の絢爛さを受け継ぎつつ、一流の調度品だけで設えられた、華美になりすぎない気品を……
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なにも動かない。
日記なにも動かない。なにも聞こえて来ない。 営々と重ねてきた自然と人との営みは、限りなく静なのかもしれない。 ベルギー国境近く、モントレイユの町には、豊かな静寂……
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今日のテットドヴォー
日記「今日のテットドヴォーは、作り立てなのでおいしかったと思います」。山口シェフはそう言って、少年のように目を輝かせた。 野菜と仔牛のフォンに、仔牛の頭がころ……
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「ああ、おいしい」
日記「ああ、おいしい」。 不覚にも一口食べて、平凡な感想をもらしてしまった。それほどにこちらを無防備にさせるおいしさの深みがあった。 血液の鉄分、肝のうま味……
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