銀座「エスキス」 勢い。 2015.09.29 食べ歩き , 東京 , フランス料理 , キノコ Tweet 日本人なら松茸は、香りを立たせるためにもっと加熱をするかもしれない。 しかし「エスキス」のリオネルシェフは、わずかな火入れに止めおいた。 噛むと、澄んだ体液が滲み出る。 朝露のように微かに甘いエキスは、舌と上顎と喉を清め、体に染み渡っていく。 松茸の香りに陶酔していただけの人間に、命の希少を問いかける。 目を閉じれば、秋深い森の中に運ばれ、清廉な風を頬に感じながら、静かな命の鳴動を感じ、自らが生かされていることへの感謝がわき上がる。 料理は叫ぶ。 これこそが「勢い」であると。