しらすの海。

食べ歩き ,

天日干し 甘い 猫の手 広げ裏返す

 

高知県は赤岡の「三浦屋」を訪ねると、強い日差しの下で、十人ほどがしらすを天日干ししている最中だった。

手を猫の手にして広げ、裏返しては、満遍なく干していく。

おばちゃんたちの指の下で、しらすの海が、きらきらと輝いている。

つまんでもいいというので、食べてみた。

甘い。

いやそのつたない甘みには、単に甘いという言葉では表せない崇高さがある。

それは心を震わせるのだが、はかなくも去っていく。