「一年中食べたい」。

日記 ,

「一年中食べたい」。

子供の頃より、七草粥を食べる度に思っていた。

大根や蕪の甘味が粥に染み渡り、そこに芹や青菜の香気とほろ苦みが広がっていく。

冬の寒さを和らげる慈愛が、茶碗の中に溢れて、幸せがにじり寄る。

なずな、ごぎょう、はこべら、仏の座。

日常生活では触れることのない、生命力の強い草たちのありがたみが身にしみて、ふうっとため息をつく。

時期に食べるからこそのありがたみとは知りつつも、ああ一年中食べたい。