すし通

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手がきれいな人である。所作だけでなく、白く、ツルンとした手で握る、姿がいい。

「手がきれいですね」というと、「顔が悪いから、手だけはきれいにしているんです」と、笑った。聞けば、自家製クリームを塗り、外出時は手袋をしているのだという。

職人である。清潔という職人の第一を心がける藤永大介さんは、仮借なき個性で現状に慢心しない、優れた職人の才能もたずさえる。。

その結実が、「すし通」だけのすしを生む。素晴らしき先人達の技を、現代の活かった魚に施せば、ケンカするのではないか? そんな疑問から、酢飯と魚が一つの味になる、「合一」という理想を求めて、日々研究をした。

学術書を読み、顕微鏡で細胞を観察し、うまみを引き出すため、どのように寝かし、包丁を入れ、水分を抜くか、考え抜いた。

昆布〆ながら、しっとりと水分を含んだ平目や春子。50本の隠し包丁を入れたトロ、淡雪のように溶けて消える穴子。酢飯と一体化するよう、裏側に隠し包丁を入れたスミイカ。その胸弾む驚きは、食べてみないとわからない。

「まだ道半ばです」と、明日を、未知の味を目指す彼のすしは、あなたを待っている。

 

西麻布「すし通」である。ご主人は、熟成だけではなく、全て扱う魚を学術的にも研究し、顕微鏡で筋の入り具合を見て、どうしたらその魚がベストな状態で食べられるのか、研究したという。ではその一端を披露しよう。

戸井のマグロトロ12日間熟成させ、50の細かな包丁目が入れられている。舌の上でムースのように崩れ、舌と同化するようになくなってとても色っぽく、うっとりとさせる味わいである。

または、 0.1mm間隔での包丁目を入れた、これまた溶けるような3日間熟成のイワシの酢〆。二週間昆布〆したヒラメは、なぜかまったく水分が抜けていない。

噛んだ瞬間、プリッと弾け、ねっとりと歯に絡みつき、濃い甘みが滲み出るように仕込まれた、三日間熟成のぼたんえび。縦と斜めの包丁を入れ、痛烈な甘みが舌を圧倒する、天然帆立。

香ばしく品のある脂が切れていく。のどぐろあぶり塩。18日間熟成し、鉄分をうま味に変化させた 30秒漬けたづけ。

くどさがなく、まったく繊維を感じさせず、舌の上で甘く、ふわりと崩れる、煮穴子。表面には包丁を入れず、裏側に18の隠し包丁を入れた、スミイカ。

といった具合である。かなりのすし通でも、未体験の味が広がり、呆然と食べ進んでしまう。同時に、十分知的好奇心を満たしてくれるに違いない。

夜の15貫が、真骨頂だが、昼は数少なく軽いコースもある。まずはそこから試されてはいかがだろう。

すし通 8.2  1.カサゴ和風マリネ

2.オーストラリア160g真繰り10日間熟成50隠し包丁。オーストらりは、日本の海水濃度に近い。

3.鮑の肝バター。雄雌わかりづらい。大きくなると三回歯が入れ替わる。ぬけかわった時期は難しい

4.シンコ みな小さいのを5枚づけとして握るがそれじゃ味がない。じゃあみという。にまいづけ。ほんのり甘く、ふんわりとして大人になっていこうという気配の中に若草のような香り喉から抜ける

5.余市 塩水ウニ甘みがくどくない、品があってクリーミー

6.カワハギ、身が負けてしまうことがない。肝フランス料理の技法でより気品を帯びながらエッチになっている。昆布〆の身が負けていない。見事にマリアージュ。肝の雑味が消えている

7.天草天然ウナギ、関西風の焼き物なのにカリッとふわり。脂に品あり

8.サンマ、海水と同じ塩水に40分、軽く干して30分、酢に1分潜らせる。化粧握り。サンマの身斜めに隠し包丁0.1ミリの幅、握ってから縦に包丁を入れる。すると切り口がギザギザに波打つ。鹿の子ダイヤ型握りもあり。

自然の風合いはある。味はしっかりとしていながら、酢飯となじむ。泳いでいた時のようなしなやかさ

9.すっぽん茶碗蒸し

10.赤身のにぎり 手の中で熟成。ハンバーグ理論。まぐわう感じ

11.酢〆の鰯 1ミリ以下

12.からすみ 玉子の味。生タラコを固く密にした。カラスミほどえぐみない。

13.太刀魚のから揚げと松茸

14.新いか。スミイカの子供。いたいけな食感絶妙な厚み、いたいけな甘み幼い。無常がある。少女のような危うさ。これから育つものの感覚

①5.白いかねっとり

16.三日ん熟成したボタン海老。。ねっちりと歯に絡みつき、海老の香りを放って甘く消えていく。。

17.新イカのゲソ。はかない。軽く70~75度dr4~5秒茹で。微かなシコ。甘味。

18.小柱。食感ブリブリ。大星。海苔のキレの良さ見事に消える。香り。

19.カワハギ肝おかわり。

20.赤利尻雲丹、1年間獲らない。特が3ッつ

21.とろたく

22.カッパ巻

23.蟹

24お多福豆アイス

①大間八日間熟成の中トロ 52包丁目

② 0.1mmの包丁目を入れた、3日間熟成のイワシの酢締。むーす

③微かに燻製香漂うかすご。しっとりムース。

④1/8に昆布〆したヒラメ。まったく水分が抜けていない。

⑤プリッと来てほのかなあまみ、やがて噛み締めているとねっとりと歯に絡み付き、濃い甘味が出る。三日間熟成のぼたんえび。

⑥まだこの頭 ふわりツメ

⑦6年の天然ホタテ 縦と斜めの包丁 ものすごく甘いねっとりねろり

⑧、軽く湯を通してほんのり色気を出した北海島海老

⑨のどぐろ とけるよう

⑩のどぐろあぶり塩 香ばしく脂の素晴らしさ、なんともいえぬ食感

⑪赤身 旨味濃い、最後に鉄分の香り18日間熟成し、30秒漬けたづけ 鉄分を旨味に変える

⑫穴子 くどさがない ムース、まったく繊維がない

⑬ほうぼう3日間 海老のような甘さ。

⑭すみいか 表面光沢造り。裏に隠し包丁 ざくっはらりはらはら

⑮白海老 けなげ、すんだ甘味いやラスクなる寸での手前の甘味

⑯シソで包み込んだズワイガニ 味噌

⑰北海ムラサキウニ きれいな甘味のりとそのままと

⑱玉子

 

 

 

2/18

1)太刀魚菜の花

①問のマグロトロ12日間熟成50包丁目 ムース生たらこ的食感

2)アマダイ椀 アマダイとカツオ節の出汁、優しい味わい

②静岡コハダ しなやか。南より柔らかい

3)からすみ 素晴らしい。オーストラリア きれいな、玉子の味。ねっとり滑らか

4)のれそれ、空豆

③白魚、塩で締めて笹と一緒に蒸した昔の仕事の再構築250年前 桜の葉

鰹節と桜の前に咲く梅で味をつけた、春の味。

5)釣りキンキ焼き

④3日間熟成ボタン海老 プリ、ねっとり、甘味 シャリ少ない

とてもエロい

6)塩辛イカ干してから

7)鮑肝バター焼き

⑤かすご 絹の着物襦袢をさらりと脱ぎ捨てたお姉さんの色気色っぽくしなやかふんわり、ムースではない。

⑥スミイカ 裏に16包丁

⑦天草海老 ミキュイすばらしくエロい余韻が長い

8】目抜け(深海魚)ちりむし しっかりとした凛々しい身質で上品な甘味

⑨さより 塩分調整が見事

⑩平目昆布〆 〆られているが水分抜けていない

⑪づけ 18日間熟成 鉄分をうま味に変える うまい。

⑫のどぐろ 塩炙り ぐりっ 甘味(脂)くどくない

⑬金目鯛昆布〆塩炙り 活かっている感

⑭うに やや臭い

⑮塩穴子 ただグズグズと溶けていくのでない、身がふんわりとなって優しき温かみがある。

⑯熟成鮪の手巻き 海苔の香りがすごいそれとマグロの香りが合うバランスがいい

⑰鉄火

生ビール小、宗玄 いづみ橋 秋鹿 26000円