<朝からまずい話でごめんなさいシリーズ4>玉子焼き編

日記 ,

<朝からまずい話でごめんなさいシリーズ4>玉子焼き編
まずくなりようがない料理は、カレーやソース焼きそば以外にもある。
玉子焼きである。
形が崩れてもうまい。
砂糖や塩を入れすぎても(もちろん限度はあるけどね)大丈夫。
まして料理人が作る玉子焼きが、まずいはずがない。�
しかし。
生まれて初めて出会えたのである。
都内某所のしゃれたお蕎麦屋さんだった。
玉子焼きは、見目麗しく、添えた辛み大根の染めおろしも上等である。
ただ玉子焼きがまずい。
どこかまずい。
よそよそしくまずい。
静かにまずい。
なぜそう感じるのか。
わからないが、まずい。
押してみる。
だしがにじみ出る。
だしの味は問題ない。
ふんわりと柔らかく、表面の滑らかさも、申し分ない。
香りを嗅ぐ、食べた後に、鼻から空気を抜いてみた。
舌で転がしながら味を見る。
もうワインのテイスティングのようになってきた。
むむ。妙な、頼りない香りがするゾ。
導き出された結論は、
一、蒸れくさい。
二、卵の味と香りがしない。
三、恐らく長時間放置したものを、間際にチンしているのではないだろうか。
四、他の料理はうまいのに、玉子焼きだけまずいのは、
「板長が玉子嫌い」、
「玉子アレルギーで味見が出来ない」。
「玉子にまつわるトラウマがある」、
「玉子に恨みがある」。
いずれかが起因していると推察できる。
まずい料理とは、推理小説なのであった。
写真と本文は、関係ありません。