〜日本最古の三つ星レストラン〜

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〜日本最古の三つ星レストラン〜
八戸には町伝説があった.
八戸の人はみな、飲んだ後の締めはラーメンでなく、カツ丼を食べるという。
なんという人たちだろう。
締めカツ丼である。
酔って満腹中枢が麻痺しているとはゆえ、ラーメン436キロカロリーに対して、932キロカロリーを摂取する人種がいるとは凄まじい。
そしてその聖地と言われるのが、「三つ星食堂」である。
創業50数年となるこの店の営業時間は、18時開店朝5時閉店という、完全な締め需要である。
我々は「締めカツ丼の事実」を検証すべく、深夜24時に店に入った。
カウンターに、ずらりと座った男たちが、一心不乱にカツ丼をかき込んでいる。
そんな姿を想像していたが、常連のおじいちゃん2人連れが、冷奴肴に焼酎を飲んでいるだけであった。
今夜はカツ丼日和ではないのか。
しかしめげずに、「カツ丼」、「カツカレー」、「餃子」と酒を頼む。
4人で三品は申し訳ないが、夕飯はすでに食べてきたので、いたしかたない。
「はい」。70を過ぎたご主人は、小さな声で答えると、動くのが、作るのがめんどくさいなあという、緩慢な動きで料理に取り掛かった.
作り始めてからいう。
「ご飯はこれから炊くので、後25分かかるんだけど」。
今言うか。
しかたなく、「ご飯なしで」とお願いし、炭水化物がないのならと言う判断で、「ラーメン」を追加した。
ゆったりと動きながらも、次々と運ばれる。
ニンニクがかなり効いた餃子は、産地国青森の誇りを感じさせ、カツ丼は揚げたて、閉じたてで、玉ねぎが多く肉厚く、ここにご飯があったらなあという、甘辛さである。
ラーメンはあっさりとした味付けで、なかなかいい。
そしてカツカレーがよかった。
ひき肉カレーであり、林間学校最後の日に出されたカレーのような、懐かしさがある。
そしてこんな深夜にカツカレーを食べている罪悪感が、一層味を膨らますのだった。