<キューバは変わっていくのか>
アメリカとの国交が回復して、キューバが変わっていく。
「変わる前に行こう。今のキューバを見ておこう」。
それが今回の旅の大きな目的だった。多くの観光客もそう思い、観光客数は激増している。
しかしそれは自分も含め、異国人たちの勝手な想いであり、傲慢な気持ちもあるのは否めない。
大体数日いて、キューバの今がわかるのか?
その前に、キューバは変わるのか?
アメリカから観光客が押し寄せて、マックやスタバが出来、アメリカ資本のホテルやゴルフ場が出来てしまう。
ハワイと何ら変わらぬ島になってしまう。
そう思う人もいる。
しかし今まで、年間アメリカ人観光客14万人の10倍となる140万人のカナダ人観光客を受け入れてきた国なのである。2位のドイツ以下、フランス、イタリア、スペインの観光客を受け入れてきた国なのである。
観光が国の事業収入の3番目をしめる国なのである。
「アメリカ人観光客が激増しても、そうすぐには変わらない」と、キューバ在住の識者も言っておられた。
確かに不安な要素はある。今は団体観光客しか認めていないアメリカ人観光客の、個人旅行をいつ認めるのか?
5月から、アメリカからのクルーズによる観光客を受け入れることになると、どうなるのか。
今アメリカ本土からの直行便のオファーは、一日120便で、その内20便を検討中というが、その時期はいつなのか。
マリオットを始め、アメリカ資本のホテルが3つ契約を終えたが、その先はどうなるのか(資本比率は基本キューバ51%、キューバ人の雇用条件など厳しい取り決めもある)。
正式に「ディズニーシー」のプレゼンがされているが、どうなるのか?
と一気に、様々な? が渦巻いている。
マスコミは、劇的でキャッチーなことが好きなので、変わりゆくキューバなどといった予測記事を作るだろう。
しかしキューバ人も、喉から外貨が欲しいキューバ政府は、したたかである。
滞在中5年に一回の、共産党大会が開かれた。
第1書記にラウル・カストロ国家評議会議長(84)が、第2書記にマチャド副議長(85)が再選され、新たな若い議員も任命されたが大局は変わらなかった。
社会経済改革は、国営部門の労働者を削減し、民間部門の労働者を増やすと言った2011年の改革案を踏襲したにすぎない。
じっくりじっくりと、体制維持とのバランスをとりつつアメリカとの付き合いを、考えていくに違いない。
アメリカ側もそこはわかりつつも、タフに交渉していくに違いない。
表立って口にはしないが、キューバ人はアメリカが大好きだという。
なぜなら、1100万人のキューバ人に対して、アメリカには100万人のキューバ人が住んでいる。
つまり何らかの親戚関係を持つキューバ人が大半であり、彼らからの情報によって、アメリカ文化や経済に対し、強い憧れがあるのだという。
そんなキューバ人が、アメリカと国交回復によって、最も楽しみにしていることは、「ハンバーガーが食べられる日が来る」(キューバにハンバーガーは皆無)ということである。
<キューバは変わっていくのか>
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