2007東京外食事情  トレンドと傾向

<2007外食事情と今後予想>

 

2004年の流行「コンプレックスとコンフォート」 ~新たな価値観の登場~

 

 

2005年の流行 「コンテンポラリーとトラディッショナル」~大きく変化した時代~

  1. 立ち飲み店の過熱
  2. ジンギスカンブーム
  3. 銀座出店の加速化
  4. 外国人シェフの進出
  5. スペインバル増加
  6. 新世代中華(団塊世代ジュニアシェフの攻勢)
  7. エキナカ 表参道echica 品川ecute
  8. 日常フレンチの台頭

9. 新しいサービススタイル

 

2006年の流行 大きなブームなし。~外食成熟、飽和の時代~

「美しい国、美味しい国へ」本質主義の復権クールジャパン、世界へ

1、「流行がない」

2、「食への不安と健康への関心」

3、「マーケティングによる食の仕掛け強まる」

 

2007年は? 

前年と同じように大きなブーム、変化はなし。

 小さなさざ波的ブームが、各地で起こりつつある。次世代のヒントの鳴動。

 

現象

1、日本ワインがさらに人気

2、伊勢丹新宿店

3、西麻布寿司戦争

 拓 たか すし匠斎藤 真 野じま 青木 ゆう田 阿部

4、新たな組み合わせ、発想のレストラン

   渋谷「スパたこ」たこ焼きとワイン 

銀座「カイバル」、タンドリー料理とワイン

   銀座「シターラ」 鉄板インド料理

新井薬師「おつかれさん」イラン料理と居酒屋料理 

新橋「ポアヴェール」現代青森料理

5、和洋菓子、和洋折衷スィーツ、

   黄な粉ロール、豆腐と枝豆のブランマンジェ、マンゴー抹茶

6、ハンバーガー、ドーナツなどアメリカンフーズの人気

7、大箱商業施設 ラッシュ ミッドタウン マロニエゲート、新丸ビル

8、2005年に発したスペインバル、急増

9、ブランド農家

10、高級ブランドレストラン進出 「ブルガリ」「アルマーニ」

11、立ち飲み多様化

12、ミシュラン騒動

13、東京駅を初めとしたエキナカの発展

14、梅酒の伸張

15、偽装問題

16、ハンバーガー戦争 メガマック、絶品チーズバーガー、

 

ブームとは、エルブリ的斬新な発想が社会に認識されてできるもの

      昔のものの再認識もしくは従来あるものの新たな組み合わせ

2007年外食事情

 そういう意味では、情報氾濫による飽和、満腹状態。

 世界でこれだけ、テレビでグルメを取り上げている国は無い。

 これだけミシュランを騒いだ国も無い。

2008年予想

1、「外食格差社会」

外食店社会の高級店と立ち飲み的廉価店との階層間格差が大きくなっていく。

淘汰される店と、繁盛し続ける店との格差拡大。

情報化社会の中で店のサイクル短く。老舗の消滅。

階層間の遷移が不能もしくは困難である状態が存在する社会

 

2、「か、き、く、け、こ」と連動した食の見直し

 環境:フードマイレージ、フェアトレード、エコクッキング

   根菜の皮や葉の再利用、さかなのアラ料理

 教育:親の食育が問われる。郷土食の見直し。調理師学校教育の見直し

   伝統と哲学

 グローバル化:各国料理の料理法、調味料の交流。日本料理の輸出

   すし以外の日本料理の輸出。官ではない民のすしポリス。

 健康:有機、無農薬問題。食品添加物問題。佐藤達夫

偽装問題。原産地統制呼称。○○さんの野菜の料理

 高齢化:アンチエイジング。病院食。慶應病院

 

3、食べる側 客の成熟が求められる時代

 マスコミは新しい店しか追いかけない。

 大塚「なべ家」 西麻布「カピトリーノ」 湯島「鳥栄」 六本木「パ・マル」

 原宿「月心居」

 

 店と客が同時に店を、料理を育てる。

知的な楽しみを料理の世界に。斎藤壽さんの言葉を借りて。

食べる楽しみには、舌や胃袋を満足させるだけではなく、未知の感覚を知る喜び。

数百年も調理器具や技術は変わっていなかったが、調理科学的なアプローチから、無縁だと思われてきた機器や物質が持ち込まれた

料理は多様化しているだけに、食べる側も一つの価値観だけでうまいまずいを判断としてしまいがちなのは残念。

郷愁や過去を忘れ、多様な価値観を楽しむ余裕が、レストランを楽しむ幅を一層広げる。

同時に伝統を、郷土を知る。

価値観をどう創っていけるか。

フランス人にすしや和食を評価してもらって、それに感心したり、批判しているようでは了見が狭い。