鮎とくらま山椒の鉄観音茶漬け

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店名はガラスの家という意味だそうである。

その名のとおり、界隈では一際目の引く、ガラス張り三階建ての一軒屋だ。

入ってすぐの一階は厨房で、まずは忙しく働くコックさんたちに出迎えられ、二階と三階の客席に案内されることとなる。

料理は、上海の家庭料理=家郷菜(ジャーシャンツァイ)を中心とし、そこにモダンな盛り付けの創作料理と多彩なスープが色を添える。

また昼夜を問わず創意に富んだ麺料理やご飯料理のみの注文も可。

例えばチャーハンは、黒豚のチャーシュー使った五目チャーハンにメレンゲ状に泡立てて火を通した白身を乗せた「ふわふわチャーハン」や、四川風の甘辛ダレで炒めた「回鍋肉チャーハン」など、他店では見かけない変わりチャーハンだが、十分練られていてしっかりと味が着地している。

そんなこの店に、今夏新たに登場したのが、「鮎とくらま山椒の鉄観音茶漬け」である。

焼いた鮎を細かくほぐし、くらま山椒の実と微塵切りしたザーサイとあわせ、丼によそったご飯の上に乗せたお茶漬けだ。

鮎の香りが立ち上る丼に熱々の鉄観音をかけて掻きこむ。

口中に広がる、鉄観音の芳ばしさと甘さに鮎の香気とうまみ、ほろ苦味が合う。

山椒の刺激のアクセントと塩気を補填するザーサイの役目もよし。

レンゲが添えられるが、ここはかまわず丼を片手で持ち、箸でもってざぶざぶと掻き込むのがおいしい。

 

「鮎とくらま山椒の鉄観音茶漬け」\1100

玻璃家 BOLIJIA
東京都文京区向丘2-11-8 ℡03-5834-1255