<駅弁勝負 第96番>。笹八「京仕立て 出汁巻き卵と焼き鮭弁当」1150円

駅弁 ,

駅弁勝負。
最近は中々勝負をさせてくれなかったので、久々である。
相手は、推定50代のサラリーマンで、横濱炒飯弁当、崎陽軒。
強敵である。
私は、笹八の「京仕立て 出汁巻き卵と焼き鮭弁当」1150円にした。
ふっくらと仕上がっただし巻きと焼き鮭、鮭そぼろ、大根と人参のなます、柴漬という布陣である。
まずこの弁当が千円越えにしてしまった元凶である味付けいくらを食べる。
作られた方の好みなのか、ほんのりと生臭さがあるので、レモンをかけたが消えず、鮭そぼろと混ぜて緩和する作戦に出た。
なますは、酸っぱいのが苦手なのか、酢がまったく効いてない。
なますというより、「大根人参細切り和え、味を探してください」という味である。
パンチ力を与えるために、レモンを絞ったが、いくら臭さが移ってしまった。
ああ私としたことが、なんというミスだろう。
鮭そぼろは、ステビアやアミノ酸の助けを借りて、すっかり本来の味を何処かに置き忘れたようで、救いはグリンピースである。
一方、肝心な出汁巻き玉子だが、作者は「京仕立て」というのが、淡い出汁を使うことだと盲信しているようで、味がなきに等しい。
これこそアミノ酸のお力を、もう少し借りてもよかったのではないか。
唯一の救いは、焼き鮭で、しっとりとして味もある。
いくらや鮭そぼろをなくして、もう少し大きくしてほしかったなあと思う。
さらに箸がいけません。
僕は子供ではないのですから、後5センチ長くしてください。
弁当の縦辺の長さにしてください。
橋の長さ一つで、おいしさが変わります。
そんなことを思いながら柴漬をつまんで気がついた。
京仕立てとは、出汁巻きへかけられた言葉ではなく、この柴漬だったのかと。
当然ながら、完敗。