<駅弁勝負 第98番> 「横濱チャーハン」

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駅弁勝負
鮭の塩焼きから元のマグロの漬け焼きに戻ったというのに、まだ品切れである。
そこで「横濱チャーハン」を買った。
660円という、駅弁界の良心を貫いた安さで、これはJR東海パッセンジャーサービスも、見習ってほしい。
さてこの弁当には、箸がついていない。
チャーハンを食べやすいようにと、先割れスプーンだけが添えられるのだが、これは要注意である。
シウマイを刺して口に運ぶ時に、刺し方が甘いと、するりと抜けて、転げ落ちてしまう。
僕自身も口元の手前で転げ落ちて、なんとか足でキャッチできた。ものだがもしできなかったら、たった2個のシウマイの半分を喪失するという悲劇が待っている。
辛子を搾り出す前におしぼりを袋から出し、指先についた辛子を直ちに拭い取るのは、シウマイ弁当と同じ作法である。
人気の筍煮は、シウマイ弁当では句読点として、全体のリズムを産む役目だが、この弁当では、チャーハンに参戦させるのか面白い。
写真のように、チャーハンの上に乗せたり、下に忍ばせたりすると、味が変わる。
さらには、辛子をちょいとつけても面白い。
町中華風鳥のチリソース和えもおいしく、少ないおかずの中で、華を添える。
途中で、醤油をチャーハンにちょいがけすれば、下品の迫力が膨らんで、スプーン持つ手が加速する。
是非試してほしい。
さて隣は、70代後半の上品な白髪老婦人。
袋から取り出したるは、缶ビールに、なんと「シウマイ弁当」。
負けた。