東の横綱と称される青森市青柳にある創業昭和36年の「やきそば 鈴木」である。
3代目となるこちらも店主はお母さんで、お茶の先生といってもいいような、気品がある方であった。
青森市に美人が元々多いのか、はたまたソース焼きそばのお母さんに素敵な品のある方が多いのかはわからない。
しかし今回、青森市で出会った3人のお母さんはとてもしとやかで、一般的に思い浮かべる「ソース焼きそば屋のお母ちゃん」とは、一線を画している。
さて、「やきそば 鈴木」のソース焼きそばの味は丸い。
原田製麺製の、やや四角く太いシコッとした歯ごたえのする麺にソースが絡むのだが、穏やかな甘さがあって、妙な懐かしさが脳をよぎる。
他とは違って、広島のおたふくソースの甘く、うまい味わいが、太麺とよく合う。
お腹いっぱいなのにスルスルと胃袋に収まってしまう優しさがある。
それはまるで「ソース焼きそば食べ歩き、お疲れ様でした」と言われているような思いやりがあって、胃袋を穏やかに温めるのであった。
閉店