仕上がりが雪のように白いために「雪濃湯」と名づけられたソルロンタンは、牛の足の骨や臀部の肉、あばら骨、足の筋肉、牛舌、肺、脾臓などを一日以上煮込んだ、栄養に富むスープである。
内臓類と聞くと、臭みのある癖の強い味を想像なさる方もいるかもしれないが、その実、透明感があって淡い、優しい味わいのスープである。
一龍別館はその雪濃湯の専門店。
注文するとまず運ばれるのが韓国の常備菜で、白菜キムチ、カットゥギ(大根キムチ)、モヤシナムル、青菜お浸し、韓国海苔、大根細切キムチ、玉子焼き、小魚、韓国風きんぴら、厚揚げの辛し和えなど10種類の小皿(おかわり自由)がテーブルいっぱいに並べられる。
そしていよいよ主役の登場。
野菜、肉、韓国春雨タンミョンが入った白濁スープを一口のめば、ほとんど塩気はなく、ほのかにミルキーな甘みがひろがる。
そこに胡椒を一振り、塩をふたさじ加えればさらにうまみが深くなって頬が緩む。
あとの味付けはお好みしだい。
わたしのやり方は、ごはんを入れ、海苔をちらして二口。
次に大根細切キムチをを入れて食感のアクセントを楽しみ、タテギ(調理用合わせ辛味噌)をもらって味の変化をつける。
最後は、カットゥギの汁を入れて辛味でしめる。
辛味を入れても、スープの土台が力強いため、滋味は揺るぐことなく、舌の上にしっかりと広がっていく。
24時間営業という点も嬉しく、昼食や夕食だけでなく、酒宴のしめや朝食にも重宝する貴重な店である。
赤坂一龍 別館 3582-7008 港区赤坂2丁目13-17 シントミ赤坂第2ビル
ソルロンタン\1500 無休 24時間営業
千代田線赤坂駅より徒歩三分