長い間「味付け海苔」をバカにしていた

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長い間「味付け海苔」をバカにしていた。
いや、怒りを覚えていたといってもいいかもしれない。
旅館で仰々しく味付け海苔が出ると、落胆する。
海苔だけでおいしいのに、なぜ余計なうま味をつけるのか。
美人なのに厚化粧はしないでほしい。
糖分とうま味調味料の味しかしないではないか。
「ほらほらうまいだろう」と、馬鹿にされている気分である。
海苔だけで、あるいは海苔と醤油で十分じゃないか。
海苔に何をするんだ! と味付けのりを睨みつける。
睨みつけるのだが、少し味を見てやろうと思う。
ここが僕のエライとこであり、ダメなとこである。
そして食べる。怒る。血圧が上がる。楽しい朝餉が減退する。
だからなるべく見ないようにするのだが、少しだけならと、いつも齧っちゃう。
付けるなといいたい。つけなくてもケチだとか、つまんない店だとか思わんから、漬けるなと言いたい。
世の中には同じように思う人が多くいて、その人が「私も長い間バカにし、無視してきましたが、これを食べて概念が変わりました。一度騙されたと思って」と、奨められたのが広島の三国屋である。
むろん化学調味料無添加。牡蠣やら椎茸やら様々なうま味成分が入っているらしい。
食べた。ハハハ、笑った。
ちょっと甘いけど、品のあるうま味が、海苔のうま味を、控えめに盛り上げている。
主役は君だよ。でも君の風味を損なわないように、敬意を払いながら僕らも参加して盛り上げるもんね。と、言っている。
困ることは一つ。
ご飯が進んで困るのだ。

うみのしおのり。このことはまた後日。