西麻布「すし通」は、独自の道を行く

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「手がキレイですね」というと、ご主人は、
「自家製の化粧水をつけて、外歩くときは手袋をしています。なにしろ顔が悪いんで、手はきれいにしなくてはと思いまして(笑)」。
西麻布「すし通」は、独自の道を行く。
細かい隠し包丁と熟成で知られるが、どれも彼なりのわけがある。
まず隠し包丁は、筋に直角、横、斜め、湾曲と魚によって様々だ。
「殺す筋と生かす筋があるんです」という。
つまり食感を滑らかにし、うまみを引き出す筋と、うま味を閉じ込める筋があるというワケだ。
そのため、扱う魚はすべて顕微鏡でのぞき、筋を観察してから試すという。
「まだ道半ばです」。ともいう。
一番筋が複雑なのは、イカだそうだ。
そして熟成。鉄分をうま味に変えたマグロの赤身、1週間以上昆布〆にしながら水分が抜けていない平目。海老のような甘味が流れる、三日間熟成のホウボウ。不思議は、山ほどある。
最初にもう切り分けられていて、げんなりしたが、少しも乾燥していない。
また少ししゃべりすぎという話もあるが、すし好きなら十分知的好奇心を満たしてくれるよ。
昨日は18貫 12600円
①八日間熟成の大間中トロ 52の隠し包丁目 
② 0.1mmの包丁目を入れた、3日間熟成のイワシの酢締
③微かに燻製香漂うかすご。
④1/8に昆布〆したヒラメ。
⑤とんでもないエロス。縦と斜めに包丁を入れた、天然ホタテ
⑧、軽く湯を通してほんのり色気を出した北海島海老 
⑨溶ける、のどぐろ 
⑩脂の素晴らしさ際立つ、のどぐろあぶり塩
⑪赤身づけ
⑫ムースのような煮穴子の塩 
⑬3日間熟成のほうぼう 
⑭すみいか 表面光沢造り。裏に隠し包丁 
⑮ズワイガニ 味噌 
⑯⑰北海ムラサキウニ 握りと軍艦。
⑱玉子