行きは白身魚で失敗したので、帰りは鶏にした

食べ歩き ,

行きは白身魚で失敗したので、帰りは鶏にした。
名前を付ければ、「鶏もも肉のローマ風煮込み、パスタ添え うどんもあるでよ」だろうか。
白身魚よりはましだった。ただ、鶏肉だという味が、微かにするのは嬉しいのだが、どうやら肉は噛み切られるより、歯の間に挟まることしか考えていないらしい。
トマトソースのトマトは色をつけることに専念しているようで、味はどこかに置き忘れ、入れられた砂糖しか際立たない。
人参は奇跡的なキュイソンで、表面はマシュマロのようにふわふわで頼りないのに、中はまだ半生のような固さである。
ソースの味が薄いので、パスタにからめてもあまり味がつかない。
タバスコか粉チーズという贅沢はいわないものの、せめて塩胡椒が欲しい。
バターを入れてコクを出すことを考えついたが、バターを一なめしてやめた。
そこで目をつけたのが麺つゆである。
麺つゆを少し垂らす。おおっ、下品に寄って、いいではないか。
麺つゆのうま味がなんとか体裁を取り繕うとしているところが、いじらしい。
それにしても、香港から東京に向かう便だということを割り引いても、パスタにうどんという組み合わせを考えちゃう、すごいぞキャセイ。