落ち着いて」。
氷見漁港の漁港食堂でメニューを見た瞬間に、誰かが頭の中で囁いた。
「刺身定食」、「大盛りイワシ刺身定食」、「ブリ塩焼き定食」、「氷見浜丼」「自家製だれの漬丼」、「ブリカマ塩焼き」に「イワシフライ定食」
先ほど漁港で見た、キトキトの魚が並んでいる。
さらに「氷見うどん」、「漁港食堂ラーメン」と来た。
これは五人では食べきれない。でも頼みたい。
頭の中が悩みで渦巻いている。
どれを選べばいいのか。
答えは簡単である。
「全部頼めばいい」。
「はい。仰せの通りにいたします」。僕は頭の中で響いた、ご託宣に従った。
シコシコと弾む、ブリとその脂、すうっと溶けゆく、新鮮なイワシならではの、品のある脂、最後は茶漬けにして食べる漬け丼、そして白えびの天ぷらが乗ったうどんと、それぞれにいいが、意外にも「食堂ラーメン」にハマった。
スープの味が綺麗で、余計な雑味や脂分がない。
すっきりとして後口もよく、それをもちもちとしたコシを持つ中太麺と共にすすりあげる。
お腹いっぱいなのに、するりと食べられてしまうラーメンである。
というのは頼みすぎた言い訳に過ぎないが。
漁港食堂の全料理は、別コラムを参照