芋豚食べた。

食べ歩き ,

芋豚食べた。
芋を主食とした千葉県産の豚なのだそうだ。
カリッと揚がった衣にナイフを入れると、半透明な肉汁が、中からピュッと飛び出した。
滲み出たことはあるが、飛び出たことはかってない。
肉汁が元気なのだ。

味が濃い。
豚自体の味が濃くて、肉のジュースが舌の上をゴロゴロと転げまわる。
食いしん坊のための豚である。

場所は北青山「アプレスト」。
モダンなリストランテである。
やがて隣に二十代前半のカップルが座った。

女性は着飾っている。
男性はベージュの薄い麻のジャケットを着ていて、座るなり脱いだ。
下は長袖と半袖Tの重ね着だ。

食前酒を聞かれて、二人でキールを頼む。
料理は、前菜とパスタのコースにしたようだ。

男性ひじをついてつまんなさそうに食べる。
会話は少ない。

パスタ運ばれると、ずるずると音を響かせ食べる。
合間にキールをちびちび。
おいしいのだろうか、口に合わないのだろうか。表情からは読み取れない。

二人の恋路を邪魔しちゃいけない。
でも楽しいのだろうか。ナゼこの店に来たのだろうか。

レストランは、公共の場であることも知ってほしい

閉店